昔の私は今の見え方とは違いもっと視野は広く、視力もあり、“よく”見えていました。
今の私は視野が狭く僅かしかありません。私は視覚障害を持っています。
点字ブロックは、私たち視覚障害者が苦手とする段差や道順を教えてくれ、その上には障害物がありません。
まだ小さかった頃、道の色と明らかに違う点字ブロックの上を歩きながら友達と学校から帰ったものです。
少しずつ見えにくくなる中で、一視覚障害者として点字ブロックの大切さや有り難みをひしひしと痛感しています。
目的地まで誘導してくれる点字ブロックですが、目で見ることや白杖で感じるだけではなく、
情報収集の手段はまだ残されています。それは耳で聞くということです。
この音声案内装置のWalk and Mobileは、点字ブロックに付けたコードをカメラが読み、音声で場所や建物等を教えてくれるものです。普段使う白杖やバッグにカメラやソフトを簡単に取り付けられ、手間がかからず軽いということ、また、骨伝導イヤホンを使用しているため外界の音が遮断されることはなく自然と音声が耳に入ってくるというメリットがあります。実際にその2点は、外の音を聞きながら白杖を使い歩行する上で、なくてはならないものだと思います。
知らない場所、新しい場所、行かねばならない場所、行きたい場所、障害があろうとも行動はできますし、
どうせ行けないだろうと諦めてしまうのは勿体無いです。
誰しも、情報がないという怖さを体験したことがあるのではないでしょうか。 見えにくさのある方々にとって大切な情報源である点字ブロックを、このWalk and Mobileは最大限に活かせると思います。
目は見えにくくとも、世界の広さは周りの人と同じです。
今後、私はWalk and Mobileを使い新しい地へ出かけられる日が来ることを楽しみにしています。